奈良で鹿を撮ってきました
タイトルの通り、鹿を撮ってきました。
花札の10月の札「紅葉に鹿」の構図で鹿を撮りたかったので、この時期に撮りに行きました。
なんで「紅葉に鹿」の構図で鹿を撮ろうとしたのかということですが、理由は単純で、わたくしの誕生日が10月だからです。
旅行の計画から出発まで2日間、水曜の夜に宿の予約とルートを策定、木曜日夜に装備を整え、金曜の夜に出発するというギリギリ具合です(笑)。
金曜は定時ダッシュで帰宅し、玄関先に上着を脱ぎ棄てユニクロのダウンジャケットを羽織り、カメラと着替えでパンパンのリュックをしょって新幹線に乗り込みました。高速バスで移動するという選択肢もありましたが、バスで寝れたためしがないので無難に新幹線を選びました。(車酔いガチ勢には高速バスはつらい。。)
電車に揺られること2時間半、23時ちょい前にホテルに到着しました。
この日はシャワーを浴びて就寝。
2日目は8時に起床。
身支度を済ませ、近所のローソンで朝飯を買って奈良公園へ。
途中の猿沢池のほとりにベンチがあったので、寺とか笹に提灯を括りつけた謎のオブジェ()を見ながら朝飯をとりました。
盆地ということもあって朝は冷えが厳しく、朝食をとり終えた後はすぐに池を後にしました。
池をぐるりと回ってから興福寺へ。
階段上ったところに早速鹿が居ました。
その中に一匹、朝日を浴びながら気持ちよさそうにしているやつがいました。
めっちゃ気持ちよさそう!!
人間慣れしてるだけあって、私が近づいても逃げることなく非常にリラックスしていました。
しばらく観察してから奈良国立博物館のほうへ向かいました。
博物館のほうも鹿がちらほら居て、旅行に来ている親子連れが鹿の写真を撮ったりなでたりしたりしていました。
しばらくしていると、林のほうから鹿が一匹やってきて決闘を始めました。
秋は発情期らしく気性が荒いそうです。角がないので迫力はあまりないのですが、人間がこれを食らうとあばらぐらいなら折れそうだなあと思いました。(草食動物だからと言って侮ってはいけない。。)
奈良公園の鹿は、こうしたオス同士の争いによるケガや観光客を傷つけるのを防ぐため、夏の終わりから秋にかけて「角切り」という行事が行われ、そこで角を切られてしまいます。つまり、この時期に奈良に行っても角の生えた鹿をお目にかかるのは難しいということになります。
鹿の決闘がひと段落ついたところで、東大寺のほうへ。。
日が高くなり、朝もやも晴れてき始めた頃合い。徐々にパンフレットを握りしめた観光客も増えてきました。
観光客が増えるにつれ、鹿も茂みから道路のほうへぞろぞろと出てきました。
鹿も増えてきたので、とりあえず撮ってみる。
冬毛ということで色は地味ですが、ごわごわのふっさふさで暖かそうです。もふもふしたくなりますが、不用意に近づいてトラブるのもよくないので我慢。。
人間慣れしているといってもあくまで野生の動物なので注意です。
鹿の写真何枚か撮ってから、今回の旅の目的である、「紅葉に鹿」の構図で鹿を撮れそうなところを探し始めました。
紅葉はちょうど見ごろといったところでしょうか。緑と赤のグラデーションがすごくきれいでした。
しばらく歩いてよさげな所見つけたので、「紅葉に鹿」の構図に収まってくれるまでひたすら待機。
観光客やカメラを担いでいる人がたくさんいたので、その人ら撮影の邪魔にならないようにそそくさ移動を繰り返しながら待つこと20分。。。
いま!!
どやぁ。。
角がないのは(鹿だけに)仕方ないとして、ポーズはばっちり。いやぁ、これを撮るために奈良に来たんだよと。
もうすこし紅葉の主張が激しいやつも撮ってみました。
こっちは頭の後ろまで紅葉が写っているので、Twitterのヘッダーみたいな狭いところでもバッチリ鹿と紅葉を一緒に表示できます。
とりあえず今回の旅で撮りたかった写真は撮れたので「紅葉に鹿」以外のいろんな構図で鹿の写真を撮ることに。
何となく歩いていると、東大寺の手前にある鹿せんべい屋にたどり着きました。
奈良の鹿はすごく賢いので、鹿せんべい屋の前で待っていれば手軽に食糧にありつけることを知っていますし、お辞儀をすれば観光客が喜んでせんべいをくれることも知っています。
それにしても、この東大寺前の鹿せんべい屋は他のとこと比べてかなり多くの鹿が集まっていました。
まるでコンビニ前にたむろするヤンキーのよう。販売所を襲撃したりはしませんが、鹿せんべい購入者にはかなり強めのおねだりをしに来ます。
余りに執拗に追いかけるので、小さな子供はビビって泣いてました。
鹿せんべいだけでなく、パンフレットなども狙ってくる奴もいるので注意が必要です。かわいい顔をしていても油断してはいけません。
朝からひたすら鹿を撮り続けているうちに若草山にたどり着きました。せっかくなので、登ってみることに。
思っていた以上に勾配がきつく、結構しんどかったです。
とりあえず、フェンスが立ててあるとこまで登り、振り返ってみると、雄大な奈良盆地が広がっていました。
東大寺のほうをアップで。。
雄大な景色を眺めていい気分になったものの、あまりに勾配に下山できるか心配に。疲れていたのでとりあえず昼寝してから考えることに。
40分ほど寝た後、意を決して恐る恐る下山。
下山した後は春日大社のほうへ。
行きで通った道なのですが、反対から見るとずいぶんと違う印象。紅葉と階段の組み合わせがいい感じです。
しばらく歩き、春日大社の境内に到着。
春日大社の参道、灯籠がずらりと並んでいるその隙間からひょっこりと
観光客が横切るたびにお辞儀して、鹿せんべいをもらおうとするその姿が、春日大社に参拝しにくる人々を出迎えているようで不思議な感じでした。
しばらく観察してから春日大社の参道を下ることに。
鳥居を抜けて歩いていると、立派なツノを携えた鹿がいました。
夕日を顔に浴びながらも、キリっとした顔でじっと我々を眺めていました。
冒頭でも書いた通り、この時期の鹿は角を切られて角がないはずなのですが、この鹿は角が生えたままでした。私が奈良公園付近を半日以上散策してもこんなに立派な角が生えた鹿はこの個体しかいませんでした。
立派な角が生えた鹿が珍しいということもあってか、多くの人が写真を撮っていたました。
その間、モデルのようにじっとしていました。
10分ほどしてゆっくりと林の中へと消えていきました。
その後、引き続き春日大社の参道を下っていると広場のようなところにたどり着きました。
「飛火野」と呼ばれているところで、どうやら有名な撮影スポットらしいです。
カメラのバッテリーもほとんどなかったので、ロケハンをしつつこの日はホテルに帰りました。
3日目、5時半起きです。「飛火野」で朝焼けバックに鹿を撮るために超早起きです。
コンビニでサンドイッチをあったかいほうじ茶を買い、2日目と同じ池で朝食をとってから広場へいざ出陣。
私が広場についたころにはすでに10人ほどカメラを持った人がいました。その後もぞろぞろとやってきてきて、気がつけば、鹿ほどではありませんが、カメラを持った人間で大盛況となりました。
割と人が多く、広角で撮るとどうあがいても人が入りそうだなと思いつつ撮影開始。ちなみに私は最初から鹿主体の写真を撮るつもりで望遠レンズを付けていたので、人が多いことはあまり気にしていませんでした。
朝焼けをバックに鹿のシルエットで撮れました。
しばらく写真を撮ったのち、昨日角がある鹿がいたエリアに移動。今日もいるかなと淡い期待を寄せていったらしっかり居ました。
メスの鹿とキスしていました。キスした後は行動を共にすることもなく林の中へと消えていきました。
鹿はハーレムを作る動物なので、オス鹿からしたらこのメス鹿も沢山いる"彼女"の一匹なのかも知れません。
ちなみに奈良公園の鹿はオスよりもメスのほうが圧倒的の多いみたいなので、オスの鹿からすれば天国のようなところかもしれません。
帰るまえにもう一度広場に寄って鹿を観察してみることに。
食事中の鹿をパシャリ。地面をクンクン嗅いでどんぐりや落ち葉を食べていました。どんぐりはたくさん落ちていて、食糧には困らなさそうな感じでした。
朝日を浴びて鹿の輪郭が浮かび上がっています。もやっとした空気感もあいまってすごくいい感じです。(語彙不足)
もう少し散策していると、倒木を利用してマッサージする鹿が居ました。木の皮が剥けている境界部分がツボを押すのにちょうど良いなのか、何度も首のあたりをぐいぐい押していました。
実家の犬もおもちゃでこんな感じにマッサージするので、鹿も似たようなことやるんだなぁと感心しました。あまりにも既視感のあったので、公園の片隅でひとりニヤニヤしていました。
この写真を撮り終えたところで時刻は7時半を回ったところ。運動不足がたたり、足腰が限界に達していたので引き上げることに。翌日は普通に会社があるわけですから無理をするわけにもいかず。。
1日と数時間、寺社仏閣を巡ることなくひたすら鹿を撮っただけですが、非常に楽しい旅となりました。
次回はもう少しゆっくりできたらなあと思いました。
さて、次はどこに行きましょうか。個人的にはキツネの写真を撮りたいなと思っているのですが、如何せん雪国の知識や装備、撮影機材が不足しているので。。
しばらくまた近場で写真を撮っていこうと思います。